メッシュ(Mesh)Wi-Fiというものをご存知でしょうか。簡単に説明すると今あるWi-Fiルーター(アクセスポイント)のクローンを新たに作ることで、電波が届く範囲を拡張するものになります。
同じように複数のルーターを使うもので、中継機を通じて拡張するというものがありますが、これとは違いSSIDの繋ぎ直しが不要になります。同じSSIDを利用できるので、電波強度に応じて自動的に速度が高いほうに繋がります。
一戸建てや100平米を超えるマンションでWi-Fiが届かなかったり、速度が遅くて困っている方は是非導入を検討してみてください。
今回利用したのはASUSのWi-Fiルーター
設定できる項目が多いのと慣れているのでASUSのルーターを愛用しているのですが、今回以前から利用していたRT-AC88Uという機種を追加で用意して、2台のメッシュWi-Fiを構築しました。RT-AC88Uは数年前の機種ですので今から買うのであれば新しいのがおすすめです
ASUSの場合は、AiMeshという機能が用意されていて、対応しているルーターであれば簡単に設定することができます。また、他メーカーだと全くの同一機種でないと設定できないことがあるのに対し、ASUSの場合はAiMeshに対応さえしていればどんな組み合わせでも構築することが可能です。
また、ASUSのルーターは【スマートコネクト】という2.4GHzと5GHzのSSIDを共通化し、状況に応じて自動的に帯域を選択するバンドステアリング機能が実装されています。これをメッシュWi-Fiと併用して使うことで、なにも考えずに快適なWi-Fi環境を構築できます。
余談ですが、ルーターは設置スペースが許容する限り、筐体サイズが大きいものがおすすめです。排熱やアンテナの関係上、大きければ大きいほど安定するようです。
AiMeshの設定方法
まず、利用したいルーター全てを最新のファームウェアにアップデートします。初期設定では【192.168.1.1】もしくは【router.asus.com】が管理画面へのIPアドレスです。アクセスできない場合は、スマートフォンアプリの【ASUS Router】を使ってIPアドレスを見つけ出すこともできます。
ファームウェアバージョンが書いてある部分をクリックして、【更新をチェック】からアップデートします。単体でのアップデートがうまく行かない場合は、ASUS公式HPから該当のファームウェアをダウンロードして手動で更新してください。
全てのルーターを更新できたら、AiMeshの構築に進みます。手順は至ってシンプルで、別段の知識を必要としません。
まず、WANを繋いでいないノードにしたいルーターを初期化します。背面のリセットボタン長押し、もしくは管理画面から行います。
初期化が終了したら、メインにするルーターの管理画面からAiMeshのタブに飛び、【AiMeshノードの追加】をクリックします。初期化したばかりのルーターが画面に現れると思いますので、選択して待機してください。
この際、ノードが現れなかったり電波状態が弱いと言われましたら、メインルーターとノードの距離を近づけて下さい。(設定完了後はある程度の距離まで離すことができますが、設定時は電波強度が良好でないと組めません)
※どうしても環境的に電波が届かないのであれば、追加のルーターを用意する必要があります
設置場所を変えたら最適化
以上のステップでメッシュWi-Fiの構築は完了ですが、ルーターの設置場所を変えたり追加の機器を接続した場合は、管理画面から【最適化】をクリックすることで、自動的に経路を最適化して速度を最良の状態へチューニングしてくれます。
設置場所を検討する際は、上述の【ASUS Router】アプリを使うことで、実際の接続環境を見ながら設定できるのでおすすめです。戸建の場合は1フロアに1台がベストで、マンションやオフィスの場合は障害物等にもよりますが60~80平米に1台といった感じです。
ストレスフリーなインターネット環境
最近はAndroid TVやスマートスピーカーなどインターネットに接続する必要がある機器も増えており、家庭のWi-Fi環境構築の重要性は増しています。また、データ転送量も増えているのである程度の速度がないとかなりのストレスになってしまいます。
メッシュWi-Fiを構築する利点として、電波が届く範囲を拡張することだけでなく、複数台のルーターに処理を分散することで安定性を高めることがあります。ギリギリWi-Fiが届いているような場合でも、メッシュWi-Fiを構築することで今よりも回線速度が上昇するかもしれません。
ASUSのAiMeshであれば同一機種で揃える必要がないので、メインとして使うルーターを高機能で有線LANポートが多いものにして、ノードを比較的安価にするのがおすすめです。
といっても、最上位モデルはコアなゲーマーくらいにしか需要がないので、デザインで選んでしまっても大丈夫です。今発売されているWiFi6に対応しているものは全てAiMeshやバンドステアリングに対応しており、ファームウェアアップデートでiPv6+にも対応してるようなので、どれを選んでも大きな失敗はないでしょう。
個人的には↑の白色のものがインテリアに調和しやすくて良いと思います。実売2万円の上位モデルであるAX5400よりもスペック上は良いCPUを搭載しているので、性能的にも十分です。AiProtectionやペアレンタルコントロールなどの一部機能が使えなくなっていますが、コスパが良いモデルです。
AX55より上を求める方は、AX86U以上にいったほうが良い感じです。
個人的に好きなメーカーなのでASUSを推してきましたが、様々なメーカーからメッシュWi-Fi対応機種が発売されているので、在宅環境をアップグレードしたい方は是非検討してみてください。インターネット環境のレベルはダイレクトにQOLに直結しますので、最優先で投資をしても良いのではないかなと思います。