さて、今日はここ最近のクレジットカードに関連したニュースと題して時事ネタを書いていこうと思います。不定期更新で次回は何時になるか分かりませんがお付き合い頂ければと思います。
(備忘録っぽい記事を書けて嬉しいです。)
アプラス上場廃止
新生銀行(株)が(株)アプラスファイナンシャルの株式保有割合を100%とすることで完全子会社化し、2020/11/27付でアプラスは上場廃止となります。
元々、新生銀行はアプラス株を93.3%保有しており、特定支配株主(90%以上保有でなれる)と呼ばれる立場であり、売渡請求と呼ばれる他の株主が保有している株式を強制的に取得することが出来る立場でした。TOB(公開買い付け)と誤解されている方もいるかもしれませんが、あまり株価に対してプレミアは付きません。
これらの一連の流れは、親子上場解消や地銀再編のトレンドを踏まえてのことだと思われ、この流れがクレジットカード事業に対して大きく影響を与えることはないと思います。アプラスの業績自体は堅調で、クレジットカード事業を含む各セグメントにおいて増収増益であり、新型コロナウイルス感染症の影響も大きく受けませんでした。アメックスなどとは違い富裕層のトラベル優待等に特化しておらず、幅広い層の顧客を持っているので逆に救われた形とも言えます。
ラグジュアリーカードへの影響は?
とはいえ、非上場化したことで身軽にはなりましたので、今後何らかの形で動きが出てくる可能性もありますし、ラグジュアリーカードの運営パートナーが永遠にアプラスであるかは分かりません。(上場の有無だけが関係している訳ではないですが。)新生銀行自体、地銀再編の流れで取り沙汰される銀行の1つでありますし、今後の動きは要注目です。新生銀行は証券会社を傘下に持っておらず富裕層の資産運用業務が弱いので、ラグジュアリーカードと新生銀行とのシナジーはどこまであるのかなとも思ったりします。
ラグジュアリーカードを運営しているBlack Card I社ですが、決算公告によるとサービスインから現在まで赤字続きです。投資をし続けている段階ですが、未だ大きく黒字化を出来ていないようです。最も、Black Card社自体は米国に本社がある外資系企業で、日本支社の1つの決算を見ても全体の組織構造が見えないので、実際のところどうなのかは分かりません。ただ、少なくとも大きく利益が出ていることはないと言えると思います。
ダイナースの新サービス
また、シティグループからダイナースクラブを買い取った三井住友信託銀行も、中々収益拡大に苦労しているようで、昨年には120億円の減損損失を計上しています。減損損失というのは分かりやすく言うと、以前算定した時よりもその会社のお金を稼ぐ能力が低かったので、算定し直してその差額を損として計上するということです。ですので、結果的に三井住友信託銀行はダイナースを高値掴みしてしまったということです。最も、減損を出してしまうのは財務上の戦略でもあるので、ここだけで批判していい話でもありませんが。
ダイナースは来年7月に新サービスを開始するようで、メタルカードに加えて、プレミアムカードの更に上位カードが来るというような話も巷では囁かれております。実際に今年の夏ごろから「Private Concierge」と呼ばれる専任のコンシェルジュが1年間の期間限定で付いている方がいるようで、新サービスの実験的なことをしているのかもしれません。
ここ最近のアメックス
一方、ステータスカードの王者であるアメックスは順調に日本支社は黒字で推移しています。ただ、やはり新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けているようで、ゴールドカードからプラチナカードへの切替特典に10万ポイントを付与したりといった、新規会員獲得に大きく投資しています。本国ではプラチナカードをはじめ、ゴールドカードの特典も強化するなど、解約防止にも力を注いでいます。残念ながら日本では大きな新規特典追加はありませんが、アメックスオファーは相変わらず大盤振る舞いしております。直近ではタッチ決済20%還元や、一休.comで10%還元キャンペーンを行っています。
セゾンがローズゴールド アメックスを発行開始
アメックスに関連して、セゾンカードが11/26よりローズゴールドの提携アメックスカードを発行するようです。本国では2018年に期間限定でローズゴールドのゴールドカードを発行出来ましたが、それのセゾンバージョンということのようです。日本でも発行が期待されていたカードですが、まさかプロパーではなくセゾンが発行するとは思ってもいませんでした。
セゾンは唯一カード券面にセンチュリオン(真ん中の男の人)を使うことが許されており、アメックス米国本社にとっても重要な存在であることが窺えます。日本でアメックスがここまで広く使えるのは、JCBとの加盟店網提携もありますが、セゾン(と三菱UFJニコス)のアクワイアリングによる貢献が大きく、セゾンなくして今の状況はありません。しかしながら、セゾンでローズゴールドが出てしまうということは、プロパーでのローズゴールド発行は無さそうで些か残念であります。
どんなカード
セゾンが発行するローズゴールドカードのPR動画を見ると、オンライン(?)ヨガクラス2週間無料、カフェ優待、ホテル優待、お花ギフト(?)、和牛(!?)優待が少なくとも用意されているようですが、既存のゴールドカード以上プラチナカード未満の特典になりそうですね。和牛が貰えるなら欲しいですね。(笑)
後記(独り言)
数日前に米ファイザーが新型コロナウイルス感染症に効果があるというワクチンを発表したことで、世界のバリュー株は大幅に株価を上げ、アメックスなどのクレジットカード・トラベルを手掛ける会社も大きく伸びました。一方、足元では新規感染者数が増大傾向にあり、これから冬を迎え更なる感染者数増加があるのではないかとも言われています。ステータスカードを手掛ける各社共に未だ厳しい状況が続きますが、それぞれ新しい特色を出していこうと頑張っている様が見えて面白いです。
アメックス(日本)は入会ボーナスとキャッシュバックキャンペーンで集客と引き留めを行い、ダイナースは地道にサービスを強化する方針で、ラグジュアリーカードは新規特典の追加で年会費半額で集客を行っています。私の個人的感覚では、アメックスが最もコロナ禍で使いづらいカードになっている気がしますが、GoToトラベルの恩恵を最大に受けているようで、意外と数字も悪くないのではないのかなと思います。(私はGoToトラベルを未だに使えておりません・・・)
今回出てこなかったですが、JCBはあまり動きがありませんね。例年ではそろそろTHE CLASSのインビテーションが送付され出す時期で、あと一週間ほどでTwitter上などで報告が上がってきそうで楽しみです。30歳未満だと正規ルートは無理そうなので、私には関係がない話ですが。JCBは持ちたい人が持ってくれというようなスタンスなのか、大々的に広告宣伝費を使って入会キャンペーンを行っているイメージがないですが、このコロナ禍で新規契約数や解約率はどうなっているのか、気になります。勝手な偏見だと、THE CLASSは属性の良いサラリーマンや士業の方が持っているイメージで、派手な生活をする方はあんまり持たないイメージなのですが、そういった方はこの状況では合理的に考えて解約しそうです。
兎にも角にも、早く気兼ねなく海外旅行に行けるようになって欲しいですね。コロナ騒動が明けたら私も新しいクレジットカードを狙ってみようかなと思ったりもしております。本日も最後までお読み頂きありがとうございました。