プラチナカードなどのプレミアムカードに付帯するコンシェルジュ(コンシェルジェ)サービスですが、実は結構サービス内容や毛色が違うのでそれぞれ紹介していきます。
この記事が、カード選びの参考になれば幸いです。
※この記事は全て個人の感想で、相性や運などの要素が多分に含まれていますので、その点ご了承下さい。また、コロナウイルス感染症等の影響により以前よりも人員や環境に制限があるようなので、その点にもご留意いただいたほうが良いと思います。
JCB:「無難」
JCBのコンシェルジュサービスは、JCB最高峰のザ・クラスとプラチナカードに付帯しており、両者共に同じ部署に繋がっていると言われています。一部ザ・クラス専門の社員もいるようですが。提携カードでは、JALカードやANAカードなどの航空系カードに加え、楽天ブラックカードJCBなども、プロパー同様のコンシェルジュになっています。
引き受けてくれる依頼内容も多岐に渡り、タクシーの手配など細かい依頼も引き受けてくれます。一方で、レストラン探しなどの依頼では、個人的には微妙なラインナップだったりしてイマイチぴんと来ないことが多いのも事実です。商品検索も受け付けて貰えますので、日本国内ではこのカードだけで良いように思います。
また、JCBというマイナーな国際ブランドかつ純粋な日本企業であることが関係しているのか、海外での依頼では他社に劣る面があるようです。日本人があまり訪れない地での依頼は断られる可能性があります。
担当者によってアウトプットのレベルが違う面もありますが、どの方も口調は穏やかかつ丁寧で素晴らしいです。
JCBはそこそこ早く繋がります。カード番号を全桁口頭で伝えないとダメですが、自動音声はありません。
AMEX:「慇懃」
アメックス(プロパー)のコンシェルジュサービスはコンシェル”ジェ”という名称です。年会費税抜13万円のプラチナカードと、ANAとの提携カードであるANA AMEX プレミアムカードで利用できます。また、最高峰のセンチュリオンカードもプラチナカードとほぼ同様のコンシェルジュサービスと言われています。(専任のパーソナルコンシェルジェが就きますが毎回担当する訳ではないようです)
アメックスのコンシェルジュサービスは、チケット手配で強さを発揮します。ゴールドカードでもチケットアクセスというサービスが展開されていますが、プラチナカードだと24時間365日繋がるコンシェルジェに依頼することが可能です。実際のチケット手配は他社に委託しているようですが、他社にはない強さがあります。
また、ホテルの手配でも便利です。アメックスプラチナの最大の特典であるFHRを利用する際は、コンシェルジュに電話すると細かい打ち合わせが出来ます。ホテル優待が強力なアメプラだけあって、旅行においてもコンシェルジュは強い味方となります。
レストラン手配では正直なところワーストです。アレルギー対応や細かい要望に100%応えてくれず、出してくる回答も満足いくものではありませんでした。(満足な回答を得られることもあるのでケースバイケースではあります)
また、商品検索も国内で販売されているものは一切受け付けてもらえず、日本未発売のものを海外から輸入代行してもらうことしか出来ません。しかも、かなりな手数料を支払うことになるのでお得ではないです。基本的に、アメックスに依頼出来る内容は、旅行手配・レストラン手配・チケット手配・ギフト(お花など)手配の4種だと思っておくと良いです。
アメックスはカードデスクも含めてですが、担当者の言葉遣いが最も丁寧です。しかしながら、NOと言わない訳では全くないので、その慇懃な言葉遣いで良く断られます。ホテル・レストラン・チケットなどと、コンシェルジュに依頼する内容がはっきりしている方はアメックスがお勧めです。
AMEXのコンシェルジュは中々繋がらず(最近は早い)、依頼内容を選択後、カード番号と電話用暗証番号をダイヤル操作で入力する必要があります。
カード番号の入力をせずに、カード券面表の4桁のセキュリティコードを口頭で伝えるだけのケースもあります。
Diners:「王道」
ダイナースのコンシェルジュサービスは、年会費税抜13万円のダイナースカード プレミアムカードとANAとの提携ダイナース プレミアムカードで利用できます。年会費的にはアメックスと真っ向対決する形です。細かい特典は本記事で掲載しませんが、ホテル優待と家族カードへの特典ではアメックスのほうが上回っている印象です。
ダイナースのコンシェルジュは上の2つにはない、WEBフォームからの依頼が可能です。メールではありませんが、会員サイトにログイン後、コンシェルジュに依頼する専用ページから依頼することが出来、電話しなくて済むので便利です。
レストランの特典が充実しているだけあって、レストラン手配では上々の結果を出してくれます。何も言っていないのにコンシェルジュの方が察して、窓際の景色が良い席をリクエストしてくれていたこともあります。美食家の会員が多いのか、センスが良いと感じる答えを出してくれています。
ホテルでは、ダイナース プレミアムカードに付帯している一休.comのダイヤモンドステータスを利用していつも予約するので、コンシェルジュを通したことがないので印象を述べることが出来ません。ダイナースのグローバル特典である、Signatureホテルなどを利用する際はコンシェルジュを通してやれば良いと思います。
商品検索もダイナースは受けてくれます。お堅い印象を節々で受けますが、意外と柔軟にこちらの要望に応えようと頑張ってくれます。PS5やSwitchなどの人気商品は代行を受け付けてくれませんが、その他の物であれば一応受け付けてはくれます。
※追記 人気商品であってもある程度人気が落ち着いていれば依頼を受けてくれることもあります
コンパニオンカードでmastercardを発行できるようになったので、海外旅行のお供はダイナース プレミアムだけで良いようにも思います。特に老後には。
ダイナースは自動音声で部署を選んだ後に、オペレーターに繋がる形です。カード番号下4桁を伝えて本人確認します。
LUXURYCARD:「有能」
ラグジュアリーカードは、年会費5万円のTitaniumから20万円のGOLDまで、全て同じコンシェルジュサービスが利用可能です。Titaniumのみ初回依頼が電話のみと1ランク劣っていますが、返信など続きのやり取りはメールで可能です。
ラグジュアリーカードの場合はWEBフォームではなく、登録してあるメールアドレスからコンシェルジュのメールアドレスへ依頼メールを送ればそれで終わりです。どの端末からでもアクセス可能なWEBメールを登録メールアドレスにしておけば、仕事場でもプライベートでも簡単に送ることが出来るので非常に便利です。
また、電話で依頼するときもダイヤル操作が一切要らずに直接コンシェルジュに繋がるので時間節約になります。電話越しので担当者の口調は、アメックスやJCBなどと比べるとパーフェクトといった印象ではないのですが、素早くやってくれるので忙しい時には良いです。
商品検索も受け付けて貰えます。人気商品のPS5なども受け付けて貰えますが、特別枠がある訳ではなく、実際は予約を受け付けている店舗を調べてくれるだけなので過剰な期待は禁物です。(これはJCBでも同様ですが)まあ、しかし最初から断られるよりは数倍良いと思います。
レストラン手配では、繋がるまでの時間の短さから、専ら居酒屋などの飲み会用の低価格帯での依頼ばかりですが、十分満足出来る答えを出してくれています。禁煙を希望したら、きちんと全席禁煙と完全分煙の店舗を案内してくれました。意外とここら辺の確認が曖昧で、禁煙席なのにタバコの煙が流れてくる店を案内してくるところもあるので好印象でした。
ラグジュアリーカードは、直接コンシェルジュに繋がり、本人確認はありません。カードを発行して初回のみ「○○様ですね?」という感じで本人確認されますが、2回目以降は電話番号と紐づけられており、その電話番号から掛けたら本人確認はありません。
ブラックカード以上であればメールで完結しますので。電話する機会はあまりないかもしれません。
コンシェルジュに何を求めるか
年会費が非常に高額なプレミアムカードを選ぶ際に、コンシェルジュサービスが1つの大きな要素になると思います。自分がコンシェルジュに「何を求めるか」をしっかりと吟味すると自ずと答えは出てくるの方と思います。
私の意見では、旅行(≒外資ホテル)のことしか考えないというのであればAMEXで、国内メインならJCBとなると思います。家族にもコンシェルジュを使ってもらいたい方ならDiners、忙しいビジネスパーソンで時短をしたいならLUXURYCARDです。(ホテル優待や他の優待を考えると複雑になってくるので、あくまでコンシェルジュで選ぶならという分類です)
個人的には、直ぐに繋がらないと意味がないのでLUXURYCARDを推していますが、商品検索を頼むことがないのでアメックスだけでも困らないという気もしています。FHRは捨てがたい特典ですので。
皆さんが自分に合うカードを見つけられることを願っております。最後までお読みいただきありがとうございました。