検索ワードを見ていたらアメックス プラチナとラグジュアリーカードに関連するワードが見受けられたので、自分がラグジュアリーカードを選ぶ理由について書いていきたいと思います。
アメックス プラチナカードといえば、インビテーション制で高い年収とステータスを誇る人物しか持てないクレジットカードでしたが、今となっては申込制を採用しており、審査基準も大して難しいと感じません。ラグジュアリーカードは2016年から日本で発行されており、アメックスプラチナをライバルカードとして開発されたクレジットカードです。こちらの審査基準も昔のアメックス プラチナまで難しいとは感じませんが、相対的にアメックスよりは厳しい印象です。
※審査基準は私個人の感覚です。
※2021年1月追記 色々考えてアメックスプラチナをまた発行しました。
メタルカードのクオリティ
ラグジュアリーカードは当初より金属カードを売りにしており、アメックスの最上位カードであるセンチュリオンを念頭に置いて開発されたのでしょうが、アメックスも追従するかのようにプラチナカードにメタルカードを発行するようになりました。遅れること2年、2018年11月のことです。
ラグジュアリーカードの金属カードは、ステンレスとカーボンシートの2重構成になっており、ステンレスの板にmastercardのロゴを20分かけて削り出した後に、カード名称・番号・有効期限・氏名をレーザー印字しています。裏面には本物のカーボンシートを貼り付け全て英語表記にする徹底ぶりです。
アメックス プラチナの場合は、プラスチックカードの上にステンレスのシートを貼り付けているような形で、持った時の剛性感はラグジュアリーカードに比べて弱いです。また、使用している内にプラスチック部分とステンレスの部分が剥離してペロンペロンになってします現象が多数報告されています。これらは日本のみならず本国でも同様の指摘が複数あります。
このメタルカードが剥がれてしまう現象で分かるように、アメックスの金属カードは金属っぽいけど金属ではないのですよね。実物を色々と実験してみて分かりましたが、ラグジュアリーカードの場合はステンレスの上に塗装して表面仕上げを行っているのに対し、アメックスの場合はレーザー刻印で名前とセキュリティコードを印字した上に薄いシートを貼っているようです。要するに、フィルムなしで大丈夫な塗装をしているラグジュアリーカードに対し、アメックスの場合はフィルムを貼らないとダメな状態ということです。更に接着箇所が増えてしまっている影響で、上述の剥がれてしまう現象が起きてしまうようです。
こちらの記事で書いたように、4gの重量の差はこれが理由です。たった4gの差ですが、実際は構造の差があるので想像以上に違いを感じます。
日常で使いやすい特典
アメプラのFHRとラグジュアリーカードの優待の内容に大差がなかった
アメックス プラチナの大きな特典でホテルの上級会員資格付与と、ファイン・ホテル・アンド・リゾート(FHR)と呼ばれる優待プログラムが存在します。ラグジュアリーカードでは上級会員資格付与はありませんが、似たようなホテル優待プログラムが存在します。
両者とも、高級ホテルに宿泊した際に、部屋のアップグレードが受けられたり、ホテル内クレジット(バウチャー)などが貰えるものですが、中身を調べた結果大きな差はないという結論になりました。
細かいところでは、アメックスのほうがアーリーチェックインを確約出来たりなどで上回っていたりしますが、対象ホテルはラグジュアリーカードのほうが多かったりなど一長一短な印象です。ラグジュアリーカードの場合は、最下位のTitaniumカード(年会費55,000円)でも同じ特典が使えるので、アメックスより88,000円も安いです。会員ステータスが貰えないデメリットはありますが、Titaniumカードとお好きなホテルチェーンの提携クレジットカードを作れば良いように思います。
例えばSPGアメックスでしたら34,100円なので、Titaniumカードと合わせたら89,100円になります。約9万円で、すぐに繋がるコンシェルジュが使えて、映画チケットも貰えて、ラウンジアワーにも参加できて、国際ブランドがmastercardなカードと、マリオットのゴールドステータスと、マイル還元率が1.25%になるアメックスのカードが持てる、と考えたら割安に感じます。
私の場合はマリオットはあまり使わないので、出るであろうと言われているヒルトンアメックスを狙っています。国内でハイアットと提携するカードが出てきたらそれ一択なのですが、今のところないので妥協です。
コンシェルジュの利便性
↓の記事でコンシェルジュの比較を行っているので、内容が被る部分も多いのですが、ラグジュアリーカードのコンシェルジュは非常に使いやすいです。
本人確認が一切ないのが特徴で、電話したら直接オペレーターに繋がり、直ぐに依頼内容を伝えることが出来ます。Blackカード以上であればメールで依頼するのが可能なので、電話があまり好きではない自分はメール依頼を多用しています。受けてくれる内容も多岐に渡り、商品探し依頼もしてくれます。私は専らレストラン探しを頼んでいますが、アレルギー対応などの一々店に尋ねるのが大変なものをメールでちょこっと書くだけで済ませられるのは本当に助かります。
アメックス プラチナの場合は、初回依頼は全て電話のみで、自動音声→カード番号と電話用暗証番号を入力→項目選択の自動音声→待機→オペレーターに繋がる、という流れですので短くても2分は掛かります。さらに、12~13時や18時~20時などのピーク時では、5分以上繋がらず待たされるということが起きます。暇な人なら良いかもしれませんが、私は許容出来ませんでした。
結局依頼する内容のメインはレストラン探しなので、アメックスでもラグジュアリーカードのどちらでも出来る事ですが、依頼出来なければ意味がないので、私はラグジュアリーカード一択でした。
旅行以外での特典
両者ともお金をたくさん使った旅行で真価を発揮するのが間違いないですが、そこまで旅行に頻繁に行くお金も時間もないです。となると、日常でどれだけ恩恵を受けられるか、という点になりますが、これは圧倒的にラグジュアリーカードだと思います。紹介記事でも書きましたが、映画館・美術館・カフェ・バーなどで利用出来る優待が多数用意されています。
アメックスの場合、キャッシュバックという形で旅行以外で使えるようなキャンペーンが用意されていますが、そこに特別感はありません。安くなっても要らないものは要らないです。
※2021年3月追記 映画特典については改悪されてしまいました
決済手段としての利便性
限度額
アメックスには一律の限度額が設定されておらず、目安枠という形で大体の限度額が決められています。しかしながら、実際に使える枠は、日によって変わったり、決済内容次第で変動します。また、他社からの借入も細かく見られており(通常3か月おきにCICに照会を掛けている)、それによっても変動します。
大きい買い物をする場合は、一々アメックスに電話して決済可能か確認しないと安心して使えません。
これは、信用スコアが高い人にとっては問題にはならないかもしれませんが、私は困ることが多々ありました。クレジットカードの世界では、信用度合いの中で年齢が占める要素は大きいです。かといって、アメックスに自分の確定申告書のコピーや証券口座残高証明のコピーを送りたくはありません。どうしても必要となれば送らざるを得ませんが、可能な限り手の内は晒したくないというのが、一般的な経営者の感覚だと思います。
また、「デポジットをすれば限度額の問題をクリア出来るのでは?」と思われるかもしれませんが、約一か月支払い期日を伸ばして、後払いに出来るからクレジットカードを使っているのであって、事前に振り込むのであればクレジットカードである意味がありません。期限の利益の喪失とも言えるでしょう。
ラグジュアリーカードの場合は、明確な限度額という形で枠をくれますので、ストレスフリーです。アメックスより劣りますが、一応デポジット*を行えるようになるので、限度額を超える買い物も出来ます。
*2020/11/02より正式に利用可能になりました。9999万円までデポジット可能とのことです。
国際ブランドの差
もうこれは言わずとも分かる話ですが、AMEXとmastercardを比較したら、圧倒的にmastercardのほうが使えるところが多いです。また、近年では電子マネーサービスが増えてきていますが、それらで利用可能な国際ブランドもmastercardのほうが圧倒的に多いです。(KyashやRevolutなど)
あと海外旅行の際は、保険のスペックが高いカードで決済したいものですが、アメックスだと使えないところがやはりありますし、フィーの高さから「No AMEX」と言われてしまうことがあります。トラブった場合のことを考えるとサポート体制が充実しているカードで決済したいですが、そのカードを受け付けて貰えないとそれらのサポートを受けられないケースがあります。
個人的な想い
将来性
この記事を書いている11/1は、ちょうどラグジュアリーカードが日本に上陸して5周年だそうです。
やはり特典内容を見ていても従来のカードとは違う面白い特典が多数用意されています。欧米では新型コロナウイルス感染症の勢いが収まらず、未だ出口が見えてこない状況で、いつ海外旅行へ気兼ねなく行けるようになるか分かりません。そうなってくると、なおさらラグジュアリーカードに優位性があるように思います。Withコロナ、Afterコロナの時代に合わせた特典内容を更に期待したいところです。
一方、アメックスも手をこまねいている訳ではなく、プレミアムカードの特典内容を強化するそうです。
日本ではどのようになるか分かりませんが、アメックスにも頑張っていただきたいところではあります。
価値
アメックスはクレジットカード業界の中でのフェラーリ的存在だと思います。圧倒的なブランド力と知名度がありますし、これからもそれは変わらないでしょう。しかしながら、申込制に切り替わってからのアメックス プラチナカードに対してはモヤるところがあります。私が20歳そこそこで年収200万円の時に審査が通ってしまうアメックス プラチナは、昔憧れていたカードとしては拍子抜けで、ある意味がっかりするものでした。
10年以上会員の方と話した際に、その方が「昔とは違うよ・・・。」としみじみ語っていたのが印象的です。インターネットが発達して、誰しもが簡単に情報を調べられるようになった社会では、従来と同じビジネスモデルは成り立たないのでしょう。決済するだけであれば、楽天カードで十分ですし、これからの時代は物理カードで決済する頻度も減るでしょう。そうなると、高い年会費を払ってプレミアムカードを使う意味はどこにあるのでしょうか。
その答えは今まで書いてきた通りですが、直ぐに依頼出来るコンシェルジュ、日常の動機付けに丁度良い特典(映画・美術館・バーetc)、当たり前の決済手段としての利便性です。ラグジュアリーカードにもまだまだだなと感じる点や、これは不便だなと感じる点は幾つかありますが、今の私のライフスタイルとマッチしているのはこのカードです。
家族カードを発行する場合は、ラグジュアリーカードよりもアメックス プラチナの方が良いと思いますし、結婚したらカードに対する考え方が変わるかもしれません。あくまで私の意見ということで、ご査収ください。